議会報告

令和2年度 秋田市議会 一般質問   
                秋水会 熊谷重隆 

 

1・財政について
 令和2年度当初予算において、成長戦略に係る新規事業を含め、特徴的なものは何か。
 重点的に取り組む施策として、企業活性化の推進として、後継者不足等に悩む中小企業への事業継承支援や、チャレンジオフィスあきたが実施する創業支援など、「秋田市中小企業振興指針」に位置づける事業、農業経営基幹施設の整備に対する助成により、産地競争力と農家所得の向上を図るほか、子育て環境の充実に向けて経済的負担の更なる軽減についても検討する。
 第7次秋田市行政改革大綱では、中・長期財政見通しに基づく、主要2基金(財政調整基金と減債基金)の残高を一般会計予算規模の5%程度と示しているが、今後も安定的に持続していくことは可能なのか。
 主要二基金の残高は、財政調整基金が約43億円、減債基金が52億円、平成31年三3月に作成した中・長期財政見通しは、収支不足の補てんや、合併特例債の償還への活用により、令和11年度末の残高は約68億円に減少すると見込んでおり、今後10年間の財政フレームとして、一般会計予算規模の5%を確保できると見通しております。
 私有財産について、貸し付け及び売り払いにより一定の収入が得られているが、今後の見通しはどうか。
 市有財産の貸付けは、件数に大きな変化はなく、土地価格は横ばい又は下落傾向にあり、全体として収入は減少している。
売り払いについても一定の収入を得ることは難しく、売り払いが可能な土地
につきましては、時機を失うことなく、手続を進めてまいります。
 市税の未収金は多額であり、本市財政圧迫の一因にもなっているが、今後の徴収対策についてどのように取り組んでいくのか。
 徴収対策については、催告を徹底するとともに、必要に応じて訪問による折衝を行うなど、納付を促しております。また、納付に応じない滞納者に対しては財産調査を実施し、預貯金や給与などの差し押さえを行い、早期滞納整理の強化を進めております。
 税負担の公平性に基づき、これまでの取組みを一層強化し未収金の削減に努めてまいります。
 
2・地力創生について
 国は、「地方創生の第一期戦略は効果が十分に表れていない」として、是正策を検討しているが、地方創生は本市にどのような効果をもたらしたのか、また、国の地方創生第二期戦略に期待することは何か。
 秋田市まち・ひと・しごと創生総合戦略の達成度を踏まえて、今後どのような分野に重点的に取り組んでいくのか。
 本市においては、子育て世代を中心とした移住者や、正規雇用転換者が増加するなど、一定の基本目標のうち、「合計特殊出生率」と「市外への転出超過の改善」は目標達成が厳しい状況となっております。今後は、生活の基盤となる雇用の創出や質の向上、創業環境の整備などに重点的に取り組む必要があると考えております。
 
3・イージス參アショアの配備について
 新屋演習場が適地とされた場合、市長はいつ判断を示すのか。
 防衛大臣や内閣官房長官の最近の発言からすれば、常識的には、新屋演習場は配備候補地から除外されるものと思われますが、ゼロベースで公平な評価が行われているかなど厳しく見極めながら、判断してまいります。
 イージス・アショアの配備が、市長選で争点の一つのテーマとなり得るとの考えに変わりはないか。
 次期市長選挙の争点となるかは、明確に判断できる状況にないものの、可能性がまったくないものとは言えないと考えております
 
4・農業問題について
 農地中間管理事業は、スタート時点と比べるとかなり条件も改善されているが、利用件数など現在の進捗状況はどうか。
 農業中間管理事業については、今年度から手続きの期間短縮や簡素化に加え、機構集積協力金の要件が一部緩和されるなど、農地集積の促進に向けて制度が見直されております。制度が開始された平成26年度の利用が年間10件、平成30年度までの5年間で271件に増加しております。
これに従来からの農業経営基盤強化促進法等の集積面積を加えると現在4,443ヘクタールとなり、本市耕作面積のうち49%が認定農業者等の担い手に集積されております。
 生産者の労力を軽減し、他の農業生産や規模拡大を進めるための、秋田市南カントリーエレベーターの進捗状況と支援はどうか。
 建設予定地である四ッ小屋地区をはじめ、仁井田・上北手・一部河辺地区等を受益範囲とし、令和2年度着工、3年度稼働を目指しているところであり、国の補助事業を活用した支援策を講じるなど、引き続き支援に努めてまいります。
問 あきたこまちよりおいしいとされる新ブランド米である秋系821は、予定どおり2022年の市場参入が可能なのか、また、農家とJAの取り組み状況はどうか。
 来年度には、品種や栽培適地、生産者要件等が決定され、令和四年度に市場デビューの予定であります。JA等と連携して生産者に対し作付けを奨励するなど、本市が優良産地となるよう働きかけてまいります。
 

5・教育について
 
(1)  小中学校の適正配置について
  統廃合が進むと、地域の活力や文化が失われる懸念があるが、その点をどのように考えているのか、また、小規模校であっても魅力ある学校にしていく取り組みも必要と思うがどうか。
 統合にあたっては、地域で培われてきた伝統や文化の保存、継承に努めるとともに、地域の諸団体を所管する関係部局による庁内連絡会を設置し、統合後も活動を支援していく体制づくりに努めているところであります。また、学校の規模にかかわらず、特色ある取組みにる、魅力ある学校づくりは大切であると捉えております。
 統廃合で一学級当たりの人数がふえることも考えられるがどうか、また、よりきめ細かな対応がしやすい学級人数はおよそ20人程度が理想とされているが、その点についての見解はどうか。
 本市においては、県の少人数学習推進事業により、30人の程度学級となっており、現在、20人から29人の学級が小学校では63%、中学校で57%を占めている状況にあります。学級は一定の児童生徒数が必要であることから慎重に検討すべきものと認識しております。
 適正配置に当たり、統合ありき、枠組みありきとの声があるが、それらにとらわれることなく、柔軟に対応すべきと思うがどうか、また、廃校舎の利活用も同時に進めていくべきと思うがどうか。
 7ブロック地域協議会を設置し、地域や保護者の代表の皆様に協議していただいており、あくまでも検討のたたき台として、学校統合に係わる組み合わせを提示しており、廃校舎の利活用については、地域の意向を十分に尊重し、決定してまいります。
 

(2)  いじめ問題について
 本市における小・中・高校のいじめの実態はどうか、また、解決に向けてどのような対策を講じているのか。
 昨年度の市立学校におけるいじめ件数は、小学校136件、中学校83件、高校四4件の223件で、いじめを認知した際には、いじめ対策委員会を組織し、迅速で的確な実態把握を行い、子どもが安心して学校生活を送ることができるよう、解決に向けて取り組んでおります。
 新たに子ども未来センターに設置された「子ども家庭総合支援拠点」との、いじめに関する課題解決の連携はどのようにとっているのか。
 同支援拠点にいじめの相談があった際には、速やかに情報を共有し、対応にあたっております。また、同支援拠点の連絡先を、教育委員会がリーフレットを作成し、すべての保護者に周知して連携を図っている。
 
(3) 小・中学校における不登校問題について
 本市の小・中学校における不登校者数の増加の要因とその対応はどうか。
 本市における平成三十30年度の不登校の児童生徒は、小・中学校併せて362人であり、29年度に比べて53人増加しており、その原因は家庭環境に起因するものと、学業不振が挙げられる。
各校では、家庭訪問などを通してカウンセリングを促したり、スクールソーシャルワーカーを通じ、きめ細かな支援に努めております。
 
6・佐竹資料館の改築について
 佐竹史料館の収蔵品は、本市の歴史、伝統、文化を集約した歴史的遺産であり、文化遺産の保存・公開の拠点、観光振興やまちづくりの観点からも早期の改築を望むものであるが、今後の改築予定はどのようになっているのか。
 佐竹史料館については、「千秋公園再整備基本計画」を踏まえ、現在地に改築する方針であり、先行する埋蔵文化財の発掘も含め、閉館期間は概ね4年程度と見込んでおります。今後も再整備基本計画に掲げた期間内に着手できるよう、準備を進めてまいります。
 
7・ジャイアントパンダ誘致について
 パンダ誘致については、国家間の協議が前提となるが、その後の進捗状況はどうか。
 パンダの誘致は、国家間の協議が前提の非常に難しい事案であり、その後の変化はありませんが、今後も情報収集を進めながら、引き続き、様々な機会を捉えて国に働きかけてまいります。
 

8・地域課題について
 多頭飼育対策について
 猫による迷惑防止の観点から、周辺環境の悪化を未然に防止するための措置をどのように講じてきたのか、また、多頭飼育への対策を充実させていくべきと考えるがどうか。
 本市では、広報あきたやリーフレットのほか、飼い方教室、地域住民を交えた勉強会等を通じて、適正飼育を啓発している。
多頭飼育問題に係わる事例を探知した場合は、現地確認の上、飼い主に対して室内飼育や繁殖制限、譲渡等により適正な飼育に努めるよう助
言・指導しております。また、現在、多頭飼育への対応に関するガイドラインの策定を進めております。